2010年12月19日日曜日

師走の長崎「けやき」へ






新年を迎えるまで10日あまりになった今日、今年最後の小鹿田・新作展準備(物ならべ)のため、師走の長崎へバスで出掛けました。
本来なら16日に小鹿田に車で入り、17日に窯出しされたばかりの品を積んで、長崎へ向かう予定だったのです。
ところが、16日の朝、目を覚まして外を見ると、なんと今年初めての雪が盛大に降っているではありませんか。急いで小鹿田に電話を掛けてみると案の定、小鹿田でもひどい雪降りとの事。これでは、車で小鹿田に行く事は出来ませんし、小鹿田から荷物を出す事も出来ません。そこで相談の結果、初日を1日か2日遅らせて貰う事にして、荷物は急遽トラック便で送る事にしました。その荷物が昨日会場に到着している筈なので、長崎に出向いたと云う訳です。

さて会場の「けやき」は、長崎駅前から市電で15分程。昭和町通の電停からすぐの中園町にある、カフェを兼ねたカレーを食べさせるお店です。地下1階にギャラリーがあり、そこが会場になっています。
さほど広くはない会場の壁際に棚と、部屋の中央に大きなテーブルがあります。そこに、昨夜のうちに荷解きされた300点ほどの小鹿田の焼物が、とりあえずと云った様子で並べてありました。
4時間ほど掛けて、それを並べ換えました。古いものがお好きなご主人のSさんなので、店のあちこちにインドを始めアジア各国の染織品や籠類、また李朝の木工品や焼物、民画などが飾られており、それらの邪魔をしないよう列べるのは案外大変でした。

32年近く前の事。当時万屋町(よろずやまち)で喫茶店を始めて間がないSさんをお訪ねし、「あまねや工藝店」を始めるについて、いろいろと相談に乗って頂いた事があります。通りに面して幾つかの窓がきってあり、カウンターの奥には管球式のアンプが据えてあって、つながれたスピーカーからはジャズが流れている、そんなしゃれた雰囲気のお店でした。お店の一角に民藝品を並べたコーナーが作ってあって、物が好きな人なのだと云う事が私にもわかりました。       25年程前に宮城県・鳴子の沢口滋さんを福岡にお招きして、漆器の展覧会と講演会を催したときの事です。Sさんにお願いして、長崎でも同様の展示会・講演会をやって頂いた事があります。私は車の免許を取って間もない頃でしたが、沢口さんと木曾の佐藤阡朗さんを車に乗せ、漆器も積んで背振の山を越え、長崎まで車で往復したのです。

いま考えれば「なんと大胆な!」と恐ろしくなりますが、山道のS字のカーブを大きく対向車線にはみ出しながら、へとへとになって、でもなんとか無事に長崎まで辿り着いたのを覚えています。
その時、九州の山は標高が800メートル位までは、杉の植林がすすんでいてつまらないと思った事。そして当時、今泉の店舗裏の自宅に隣接する6畳一間で倉庫代わりの部屋に、沢口さん・佐藤さんの御二人に泊まって頂いた事。またその時、台所に据えた畳半畳ほどのガス給湯式簡易風呂(湯船の上に洗い場を兼ねた蓋がしつらえてあるもの)に入ってもらい、びっくりされた事などと共に、忘れられない思い出です。脱線が、ついつい長くなりました。Sさんに催事を引き受けて頂いたのが、その時に次いで2回目だと云う事を、皆さんにお伝えしたかっただけなのです。

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