2010年12月5日日曜日

Sで学んだ事




「抱き人形展」の幕が無事に開いた4日の夜。店に居合わせた7人で、馴染みの洋食屋Sに食事に行きました。ほぼ満席だった事もあり、私は調理場の様子が見渡せる、初めてのカウンター席(一度は座ってみたいと思っていたのです)に座りました。私たちを含め、店内4グループ12・3人の客の注文が次から次に入り、オーナーシェフのSさんはひどく忙しそうです。頼んだ料理が出て来るまでの間、Sさんの奮闘ぶりを真近で見ていて面白く、私自身の仕事を振り返る良い機会にもなりました。たまたまこの日は、アルバイトの女性が「手伝い」初日で慣れていない事もあり、よけい大変な日だったのです。

ガス台には3・4個の鍋やフライパンが掛けてあり、それぞれ異なった注文の料理中です。焼いたり茹でたり暖めたりと、端から見ていると混乱しそうですが、実に的確に鍋の蓋を開けて差し水をしたり、フライパンの上の天然の真鯛を引っくり返したり、かと思えばオーブンの中を覗いて子羊肉の焼け具合を確かめたりと、こんな事を指して「八面六臂」と云うのだろうと思ったりしました。御本人は、「必死なんです」と言っていましたが、そうだろうと思いました。
こんなSさんの仕事が成立する為には、「段取りとタイミング」がすべて肉体化されている事、さらに自分の手足の代わりとして「他人」を使う訳ですから、いま自分が考えている事を、短い言葉で的確に他人に伝える「コミニュケーション能力」に長けている事、そして当然、他人(お客や従業員)に対する「想像力」も必要です。本当に勉強になりました。

さて、初日の「抱き人形展」は小さな子をつれた母娘連れのお客様が多く、そんな中で小さな子が実に的確に自分の好きな人形を見つけ、選ぶのには驚かされました。写真はそんな子供達です。

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