2016年1月30日土曜日

「森信也クロッキー展」が始まりました

今日の店の全景

本日1月30日、無事に「森信也クロッキー展」が始まりました。2階会場は少し物を足して、当店らしくなりました。この写真は、故障の為しばらくお蔵入りしていたパナソニックのLX-1を使いました。

2階正面
12年ぶりに見出されたクロッキー
線の上から着彩された作品3点
着けられた彩は岩彩なのだそう

2016年1月29日金曜日

「森信也クロッキー展」明日から

「森信也クロッキー展」が、明日1月30日から始まります。その準備の為、小雨の中を森さんの自宅迄お迎えに。午後5時過ぎから、“作品並べ”が始まりました。この催事が楽なのは、下準備さえしていれば、全て森さんが自分で並べてしまう処です。とはいうものの、「どうしても」の処は目をつぶって貰いますけれど。
そんな訳で、2時間程で“作品並べ”は終了しました。開店は12時からです、ご注意下さい。お出掛けお待ちしております。。

一階のぞきの作品、今年の初作品
全体はこんな風です、モデルは私だそうです
一階から二階への壁面
上の写真、右端の作品
二階踊り場横の壁面
二階正面左手
上の右端に見える作品、2004年作で偶々見つかったとか
正面右手
右手壁の作品
右手の作品
正面の作品
これも右手の作品
左手窓際の作品
作品集とDVD
作品集の中身

2016年1月23日土曜日

「森信也クロッキー展」のお知らせ


来る1月30日(土曜日)から2月14日(日曜日)迄、十年振りに森信也さんのクロッキー作品をまとめて見て頂きます。出品作40点程は、2014年から15年に掛けて制作されたものから選んだものです。最初の個展から十年。この時間の経過の中で、表現者としての森さんが見出したものを、“クロッキー”と云う一つの切り口を通して私達もまた追体験する、そんな実り多い場にしたいと思います。なお今展の会期は2週間と長く、会期中の月曜日2月1日と8日の両日はお休みいたします。また、開店時間もお昼12時から午後7時までになっています。ご注意下さい。以下は出品作と案内状の文章原稿です。

線の上から着彩した作品
線と色を合わせた作品
線だけで表現された作品
この大きさもあります

森信也さんの作品を最初に目にしたのは2004年初夏の事です。
それから暦が一巡りして、このたび、久し振りで森さんのクロッキー作品を見て頂く事になりました。2006年1月の作品展開催にあたり、最初に目にした森さんの作品展の印象を、私は次の様に記しています。「 壁にかけられた20点たらずの小さな作品の画面から、生き生きとしたものを孕んだ気配の様なものが立ち昇っていて、それに私は魅せられました。中略 これは、私の好きな坂本善三のドローイングやスペインの彫刻家チリダのエッチングなどの作品から、同じ様に感じさせられる“なにか”であって、そこに表現された“線の力”から生み出されたもの、としか言いようがありません 後略 」。クロッキーの生き生きした線の魅力は相変わらずですが、それに加えて今展では、線の上から着彩した作品や線と色を合わせた作品など、クロッキーの表現の間口を拡げる作品40点程とクロッキー作品が生まれる瞬間を可視化したDVD付きの作品集(予価2000円税別)を販売いたします。
どうぞお出掛け下さい。作者在廊日は未定です。
電話 092-526-0662 かamaneya◎gmail.com (◎は@)でお尋ね下さい。

2016年1月2日土曜日

忘れられないもの10 「泰山金剛経」入手の顛末 

皆様あけましておめでとうございます。福岡書芸院発行の冊子「たんえん」2016年1月号掲載の記事、「忘れられないもの10(「泰山金剛経」入手の顛末)」をお届けします。


新年が皆様方にとって幸多い年であります様お祈り申し上げます。
さて、年が改まって最初の今回は、35年前に友人の助けで、思いがけず手に入った「泰山金剛経(6世紀•中国六朝時代)」石拓の話です。

1981年春三月。その当時は仕事で出掛ける際、よくフェリー(小倉日明港から瀬戸内海経由 神戸港や大阪南港まで)を利用していました。夕方乗船して翌朝早く目的地に着き、一日仕事が出来ておまけに料金も安い。その事で、大事な時間とお金を節約出来ている様な気がしていたのでしょう。もちろん乗るのは二等船室ですから、広々とした畳敷きの大広間があり、寝む(やすむ)際に使う貸毛布(代金200円)も充分に用意してあるのです。ところが、この時ばかりはそれ迄に経験した事がない程の多勢(畳一枚を二人で使う位の乗客数、貸毛布皆無)の人で、夜、私は普通に上を向いて寝むのですが、人が多すぎて体を横に(つまりどちらかの側面を下に)しないと寝めないのです。後で判った事ですが、この時は「神戸ポートピア(博覧会)」開始後まもなくであった事に加え、甲子園に於ける春の「全国選抜高校野球大会」の日程が重なり、双方の見物客ばかりでなく応援の人々までがいて、この様に尋常でない人出になったらしいのです。

この大変な一晩の後、大阪から夜行バスを乗り継いで出掛けた仕事先の東京•赤坂にあった中国の物産品を取り扱う店「S」で出会ったのが、立派な帙に入った大量の「泰山金剛経」です。ばら売りはせず、纏めてでなければ売らないとの事。値段(300万円)を聞いて諦めかけましたが、ひとまず福岡に帰り着いてから連絡する事にして、取って置いて貰う事にしました。


福岡では友人二人に相談。廻りの皆に呼びかけ、一口一万円で三百口集めて買い取ろう、という事になりました。結果は大成功で完売。
この時相談した友人の一人が、他ならぬ前崎鼎之さんだったのです。今回ご紹介するのは私の手元にある二枚で、一枚目は「是念我得(是を念じて我を得る)」。二枚目は「持衣鉢入(衣を持ち鉢に入る)」。
読み下しは出鱈目(でたらめ)です。心の有り様として、「民藝の世界」と縁の深い「自力(じりき)」と「他力(たりき)」を象徴する言葉の様に読めて大好きな字です。